新すみれ通信 LETTER
すみれ通信2021年8月号
歯周病ってどんな病気?
日本人が歯を失う原因で一番多いのは歯周病です。そして日本人の成人の8割は、歯周病に罹っていると言われています。しかし、自分がそうだとわかっている人、歯周病がどんな病気なのかを知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?
★歯周病菌は元々お口の中にいる菌
歯周病菌は、ほとんどの人のお口の中にいる常在菌です。嫌気性という特徴を持ち、空気に触れると死んでしまうので、歯周ポケットという歯と歯茎の隙間に身を潜めています。
健康な人は歯周ポケットが浅いので中々留まることはできませんが、不摂生をしたり、免疫力が下り歯周炎になると、歯周ポケットが深くなり、歯周病菌が留まりやすくなります。こうなると、増えた歯周病菌がさらに骨を溶かす→歯周ポケットが深くなる→歯周病菌が増えるという悪循環が起こります。やがて溶けた骨が歯を支えられなくなり、抜け落ちるのです。
★バイオフィルムは細菌の塊、歯石は細菌の巣
食後4~8時間くらいで、歯垢(プラーク)という細菌の塊ができます。この歯垢がさらに時間がたつと、ネバネバしたバイオフィルムと呼ばれる塊を作ります。バイオフィルムとは掃除をさぼったお風呂場や三角コーナーに現れる「ぬめり」のようなもので、ピッタリと歯にくっつき丁寧に歯を磨かないと落とせません。取りきれず残ったバイオフィルムは、さらに時間をかけて歯石となります。歯石になるともう歯磨きでは落とすことができません。ざらざらとしていて、歯周病菌の格好の住みかとなります。そしてさらに歯周病菌が増えていくのです。
■歯周病チェック表
1つでも心当たりのある場合は、歯周炎・歯周病の可能性があります。当院にご相談ください。
★歯周病とどう付き合っていくか
大人の口の中には、300~700種類の細菌が生息しています。この中には虫歯や歯周病の原因になる菌がいる一方で、体に害のない善玉菌もいます。口の中でこの菌同士が勢力争いをし、お口の健康が保たれています。しかしバランスが崩れて悪玉菌が増えてしまうと、歯周病を発症してしまうのです。
大切なのは、善玉菌と悪玉菌のバランスをコントロールすることです。毎日の歯磨きでお口の中の悪玉菌が増えすぎないようにすること、歯科医院での定期的な口腔ケアで歯石やバイオフィルムを徹底的に除去すること、規則正しい生活とバランスのとれた食生活で免疫力を高めること、これらを意識して、健康なお口の状態を保ちましょう。