すみれ通信 CATE01
すみれ通信
すみれ通信2018年7月号
7月に入り夏も本番に突入しました。これからの季節に注意したいのが「食中毒」です。高温多湿の環
境下で食べ物を放置すると、細菌がどんどん増え、それを食べると食中毒が引き起こされるのです。
食中毒を予防するポイントは菌を「つけない」、「増やさない」、「やっつける」の3つ。調理前後に器具を洗う、野菜の後に肉を切る、生ものをつかむ菜箸と、加熱後の菜箸を分けるなど、菌をつけない工夫をすること、食材は冷蔵庫で保存し、早く使い切ること、できるだけ加熱調理をし、細菌を死滅させることが大切です。
食中毒の原因菌の一つである黄色ブドウ球菌は、実は健康な人の口の中にもいる菌です。歯垢(プラーク)は、さまざまな細菌が密着してスクラムを組んでできているため、歯垢が増えれば黄色ブドウ球菌もさらに増加して、食中毒が起こりやすくなる可能性もあるのです。食中毒のリスクを減らすためにも口腔ケアは大切です。毎日の歯磨きは丁寧に、そして虫歯がないからと放置せずに、定期的に歯科検診を受け、お口の中を健康に保ちましょう!
虫歯より深刻…?その飲み物で酸蝕歯になるかも!
のどが渇いたからと冷たい炭酸飲料やスポーツドリンクを、長い時間かけてちびちび飲んではいませんか?でもその飲み方、酸蝕歯(さんしょくし)になってしまうかもしれません!
★酸蝕歯とは?
酸蝕歯とは、食べ物や飲み物に含まれる酸によって歯のエナメル質が溶けてしまった歯です。
人間は口にする食べ物に含まれる酸や、虫歯菌が作り出す酸によってお口の中が酸性に傾きます。ややアルカリ性の唾液はその酸を洗い流し、お口の中を中性にもどして中和し、健康な状態を維持する役割があります。
しかし、酸性の強い食べ物や飲み物に長時間触れ続けていると、唾液による洗浄と中和のサイクルが間に合わず、酸により歯のエナメル質が溶けてしまいます。
歯が溶けると、熱い物や冷たい物がしみたりします。やがて歯の艶が消失し、擦り減ったり、薄くなったり、穴があいたり、象牙質が露出してまだらに見えたりします。虫歯との違いは、細菌が関与していないということです。
歯のエナメル質が溶け出す目安は、口内の「pH」が5.5前後です。pHというのは、酸性・中性・アルカリ性の度合いを表す単位で、中性を示すpH7を中心に数字が大きいほど強いアルカリ性、数字が小さいほど強い酸性であることを表しています。
味が酸っぱい=酸性ではありません。お子さんが大好きな100%のフルーツジュースやコーラは酸性が強いので気付かない内に歯のエナメル質が溶けているかもしれません。飲み方には注意が必要です。
★酸蝕歯予防法は?
お口の中が酸性に傾く時間を短くするため、ジュースやスポーツドリンクのちびちび飲みをやめましょう。また、酸性の飲食物を口にしたら、その後すぐに水やお茶を飲んだり、うがいをしましょう。ただし、食べた直後にゴシゴシ歯を磨いてしまうと、歯を傷つけてしまいます。酸性の強い物を食べた時は、食後30分ほど経ってから歯磨きをしましょう。また、リカルデントガム(キャドバリー)、ポスカムガム(グリコ)などは、カルシウムが再石灰化しやすい形で含まれており、歯にカルシウムを供給することができるので食後に噛むと効果的です。また、寝ている間は唾液が少なくなるので、就寝前のお酒は控えましょう。
酸蝕歯はゆっくり時間をかけて進行するため、定期的に歯科検診を受け予防することが大切です。気になる症状がある方は担当歯科医師にご相談ください。